知的障害を持つ高齢者の手術について

知的障害を持つ高齢者の手術について

 施設に入所しているKさん(69歳・女性)は腎臓に1.4cmの○○○○があるため手術することになった。毎日職員がお見舞いに行っているので、各職員が感じたことを5回に渡って掲載してきた。
 医療手術におけるインフォームドコンセント(説明と同意)については近年理解が深まってきている。当事者として本人が説明されたことを理解している人に限って言えば医療側でも十分な配慮をするようになってきた。
 けれども、知的障害者の方に対するインフォームドコンセントについては、どのような扱いになるだろうか?というのはどう見ても集中治療室で苦しんでいるKさんの状態を知れば、今回の手術は失敗だと捉えざるをえない。
 そもそも知的障害者の方に手術の効果や危険性について話をしても、理解できない。本人に説明や同意を行うことは最初から不可能なケースが圧倒的に多い。法的には保護者が代理人として説明を受け同意を行うことになるのであるが、あくまで代理人であって本人の意思は最終的には確認できない。
 知的障害者であるなしに関わらず、高齢者が大きな手術を受ける場合は体力面の問題から、手術後の回復が順調でないケースも十分考えられる。Kさんは手術をしていなければ、今日も明日も笑顔で施設の中で生活できたはずである。
 しかし、現在は病床で予断がならない状況にある。本人の利益と人権を優先的に考えなれればならない支援員の役割としては、この状況をどのように考えるべきだろうか?
 手術は医療のことだから。保護者が手術を望んでいるから。そういった考え方が、知的障害者の方の人権を守るべき支援員の中に蔓延していないだろうか?確かに最終的な判断は保護者の方が行うことになる。しかし、医療の分野だから?保護者が考えることだから?という意識がある限り知的障害者の方の人権を本当に守ることは出来ない。そのことをKさんの状態は我々に教えてくれているように思う。私たちはKさんがおかれている状態に重い責任を職員一人ひとりが痛感すべきだと思う。

 記載者:片岡 督

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