2017年 海外障害者施設視察(ニュージーランド1日目)

2017年 海外障害者施設視察(ニュージーランド1日目)

2017年 海外障害者施設視察(ニュージーランド1日目)

日時:2017年6月14日(水)
場所:オークランド市内

【10:00〜 HELIOS訪問】

 訪問した水曜日は音楽療法の日で、利用者がギターの音色に合わせて楽しく歌っていました。このデイサービスプログラムでは曜日ごとにプログラムを用意しており、スイミングやガーデニング、劇、アートなどのアクティビティーがあるとのこと。
 また、利用者の障害特性は10種類程度に分けられるが、障害特性ごとにプログラムを分けるのではなく、その人にあったプログラムを適用することを大切にしていると。
 スタッフはボランティアを含めて全部で10人〜15人程度。この日、音楽療法を実践した笑顔が素敵なグループ長は建設関係の仕事から転職した男性で、全くの畑違いの業種に最初は戸惑いながらも1年をかけて利用者との関係づくりを行い、今では利用者から学ぶことの多さに感謝を抱きながら毎日を有意義に過ごしているとのことでした。
 この施設での哲学は、「mind(心)、body(身体)、soul(魂)」を大事に、一人一人の利用者の毎日の小さなゴールを設定して、少しでも利用者の生活が豊かになることを目指しているとのことでした。

【11:00〜 Hohepa Auckland訪問】

 この施設ではグループホームが7つあり、29人(20歳〜54歳)が共に生活をし、65人がデイサービスを受けている施設でした。またスタッフはボランティア、パートタイムを含めて75人(正社員は40名)が働いているとのこと。
 利用者の中にはトランジション(学校を卒業したのだけれど大人になれない子供34名も)在籍しているとのこと。その子供たちは、Hohepaでの訓練をしながら最終的には自立をしていく子供も多くいて、草刈りの仕事であったり、パンを製造して販売するような事例もあるとのことでした。
 利用者の服薬状況を聞いたところ、医者・行政・施設が連携を持ちながら、施設側が医者の処方に関して質問や提案をすることで、なるべく服薬量を減らしながら利用者の負担を減らす努力をしている状況でした。
 最後に素敵な言葉を教えてもらいました。「Nothing about us without us.」

【12:30 ランチタイム】
 ニュージランドスタイルのカフェにてランチ。
理事長はキッシュとサラダ。私はアンガスビーフのハンバーガーを。しかし量が多い・・・

【14:00 iCook訪問】

 Hohepa Aucklandの利用者も働いている就労支援施設へ訪問。狭いスペースながらも全て手作業にてパンを製造していました。ただし諸般の事情でパンを焼くのは週に1回とのこと。販売先は提携しているスーパーへの卸販売のみ。
 この施設では毎日パンを焼く設備を整えるために支援を募っているようですが、なかなか難しいようでした。ただし働く利用者の笑顔はとても輝いていました。

【15:00 ミーティング】
 今回のStudy TourをアレンジしてくれたNZDSNのスタッフとミーティングをしました。
 この団体は非営利団体でニュージーランドの福祉施設に対して様々なコンサルティングやカンファレンスの開催、各種レポートの制作を行っている。登録団体は160にも上り約90%の施設が加盟しているとのこと。
 簡単にいうとニュージーランドの施設のネットワーク作りを担っている団体といったところ。海外とのネットワーク作りも積極的に行っており、お隣のオーストラリアはもとより、福祉先進国と言われるカナダとの親交も深く、有名なマイケル・ケンドリック氏の指導も受けながら、ニュージーランドの福祉事業及び福祉施策の提言も担っている。
 ニュージーランドの福祉施策は日本と同様に基本的には縦割り行政のプロセスで施策が決定されるが、この国ではその施策に疑義があれば関係機関が集まって協議を行うプロセスがあるものの、必ずしも提案が受け入れられるとは限らない。その時はメディアを利用して国民へのアプローチを行うとのこと。う〜ん、たくましい!
 障害者を取り巻く環境は必ずしも良いとは言えず、家族やそこで働くスタッフも多くのストレスを抱えている現実はあるようで、しかしながら、「目の前の利用者1名を変える!」ことで、その人が変わればもっともっと多くの人を巻き込むことができ、つまるところそれが地域貢献へと繋がり、多くの人の生活が豊かになるのではと熱い想いを聞くことができました。

担当:孫 勇一

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