Kさんの入院について考える

Kさんの入院について考える

 6月2日、私は松阪中央病院に行き、Kさんの見舞いをしました。
 Kさんは集中治療室にてベッドに横たわっており、口に大きな医療用機器の管を入れていた。頭にも何かを巻いていた。私が小声で呼びかけるも、特に反応はない。手を握るも特に反応はない。Kさんの目線も、私を見ているわけではなさそうだった。
 そこには、こいしろの里で元気にしていたKさんはもういなかった。1か月前には、歩行器で歩行していたとは思えない。身体が手術に耐えきれなかったのだろうか。“生きている”というよりは、“生かされている”ようであった。各種機械の力で、ただただ延命しているだけに感じた。
 私は以前、生命倫理学や延命治療・ホスピスの本を読んだことがあったので、非常に考えさせられた。“延命の是非”、“人間の生命とは何か”、“そもそも私という概念とは何か”という問いが湧いてきた。これらは人類にとって永遠の問いでもある。

記載:浦田 勇

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