減薬・断薬への取り組み(case 1)
① 【対象者】:30代・男性
② 【病 名】:統合失調症
③ 【減薬開始時期】2014年1月から
④ 【断薬完了時期】2016年9月まで
⑤ 【断薬までの期間】2年8ヶ月
⑥ 【離脱症状の期間】2年3ヶ月
⑦ 【減薬開始時の薬と量】
⑧ 【減薬開始から断薬までの本人の様子】
減薬を開始した当初、特に変わりなく落ち着いて過ごすことができていたが、減薬開始5ヶ月目より離脱症状が出る。発生した離脱症状は暴言・暴力・不眠・食欲低下。まずは暴言・暴力による他者とのトラブルが多かった。
その後、減薬開始1年6ヶ月ごろを目途に上記の離脱症状である暴言・暴力は落ち着くが、今度は不眠・食欲低下が目立つようになる。食欲低下では、自分で食べる行為はできるものの、飲み込むことができないと非常に苦しい状態になっていた。職員が一緒に食べながら、「ごっくん」と声かけをすることによって少しずつではあるが食べられるようになっていった。
不眠については、夜はベッドで横になってはいるものの目を開けて起きている。時には着替えて廊下に出てくることもあり、寝られない状況が続くようになっていた。この状況も少しずつではあるが寝られる日が多くなり、睡眠時間がしっかりととれるようになったことによって断薬を完了したと判断した。
⑨ 【断薬完了までの薬の摂取量の変化】
⑩ 【断薬完了後の利用者の様子】
薬を飲んでいた時よりも他者とのトラブルは全くない状況である。また、表情がとても豊かになり喜怒哀楽が表情で読み取れるようになった。
⑪ 【まとめ】
向精神薬を断薬した結果、表情が豊かになって本当にうれしい想いでいっぱいである。また、喜怒哀楽という人として当たり前の表情が出るようになったことをとても嬉しく思う。現在の本人の状況として、全く問題はない。帰省前になると気持ちが高ぶるが、人として当たり前のことである。これからも支援をおこなっていきます。
伊藤和彦
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